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標準/追加の線引きで利益と信頼を守る|「追加対応が当たり前」を整える境界線の作り方

  • web6788
  • 1月20日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月21日

“価値が伝わる会社”にするための、仕組みと基準の整え方


このラボは、売り方のテクニックではなく、「選ばれる理由」を言語化し、再現できる状態にするためのブランディングを、経営の現場に落とし込む形で扱います。


くまでん デザイン経営

はじめに:「標準/追加の線引き」も、結局は「価値提供の一貫性(ブランド体験)」を整える話です。


・追加対応が増えて、現場が疲れていく。

・見積が毎回ブレて、利益が薄くなる。

・説明すると気まずくて、結局サービスしてしまう。


こうした悩みは、値上げや価格転嫁の話に見えて、実はその手前にある

「標準/追加の境界線(線引き)」が曖昧なことから始まるケースが多いです。


そしてこの線引きは、単なる“お金の話”ではありません。

お客さんにとっての安心と、会社の信頼(説明の一貫性)を守るための設計でもあります。



1.なぜ「標準/追加」が曖昧になりやすいのか


標準と追加の線引きが曖昧になるのには、よくある理由があります。

・これまでの慣習で「ついでにやってきた」作業が積み上がっている

・お客さんの事情を考えると、断りにくい(優しさ・責任感)

・見積を作る人によって、判断が違う

・“どこまで含むか”が社内で共有されていない

・仕様変更・範囲外・追加作業が起きたときのルールがない


結果として、見積のたびに毎回「都度判断」になり、

利益が読みづらくなり、説明もブレやすくなります。



2.線引きは「冷たさ」ではなく、むしろ“誠実さ”になる


線引きを作ると、「追加料金を取りたいだけ」と誤解されるのが怖い。

その気持ちは自然です。

でも実際は、線引きが曖昧なままだと、お客さん側も不安になりやすい。


・追加費用が出るのか分からない

・どこまで頼めるのか分からない

・依頼した後で話が変わるかもしれない


同じように見える会社が並ぶほど、最後に効いてくるのは

「依頼後の進み方が想像できること」です。


だからこそ、線引きは「守るための説明」になります。

お客さんにとっても、会社にとっても、誠実な設計です。



3.線引きは「価値・条件・基準」の3点で整えられる


ここからが実務です。

標準/追加の線引きは、次の3点を揃えると整理しやすくなります。


・価値:うちは何を提供しているのか(相手にとっての意味)
・条件:その価値が成立する範囲はどこまでか(標準/追加の境界)
・基準:条件によって価格がどう決まるか(見積ルール)

追加料金や値上げの話は「基準」だけの問題に見えますが、実務では、価値と条件が言語化されていないために、基準が作れなくなることがよく起きます。

※この3点セットの全体像はA1で扱っています。



4. 「標準/追加」を決めるときに、まず押さえるべき視点


線引きは、細かい作業を全部列挙するほど難しくなります。

最初は、次の視点に絞ると整理が進みます。


4-1. “成果”として標準を定義する

標準は「作業」ではなく「お客さんが得る成果(体験)」で捉えるとブレにくいです。

(例)

・作業:設置する/作る/修正する

・成果:安心して使える状態にする/使い続けられる状態にする/目的に合う状態に整える


4-2. 境界線は「前提条件」で作る

追加が発生するのは、たいてい「前提が変わったとき」です。

・仕様変更(途中で要件が変わる)

・範囲外(想定していた対象が増える)

・追加作業(標準の手順から外れる)

「前提が変わったら追加になる」


この構造を作っておくと、説明が自然になります。



5. すぐ揉めるポイントはここ(よくある“曖昧ゾーン”)


標準/追加の線引きで揉めやすいのは、だいたい次の領域です。


・回数:修正回数/訪問回数/打合せ回数

・範囲:対象物の数/面積/ページ数/部屋数 など

・時間:夜間・休日・緊急対応/納期短縮

・変更:仕様変更・追加要望・途中追加

・責任範囲:どこまで保証・対応するか


この“曖昧ゾーン”にだけ先に境界線を引く。

それだけでも、見積のブレとサービス過多は減りやすくなります。



6.境界線を「説明できる形」にする3ステップ


境界線づくりは、やってみると想像以上に「判断の整理」が必要で、簡単な作業ではありません。

ただ、最初から完璧を狙うよりも、まず“揃える”ことを目的に小さく始める方が進みます。


Step1:標準を「一文」で言えるようにする

「うちは何が得意か」ではなく

「お客さんの役に立っている(=助かっている)こと」で一文にします。


Step2:標準の“前提条件”を3つだけ決める

全部を決めようとしない。まず3つ。

例)対象範囲(どこまで)/回数(何回まで)/期間(いつまで)


Step3:追加になる条件だけ「見積ルール」にする

追加料金(追加費用)は交渉のためではなく、説明のためのもの。

だからこそ、「条件が変わったら価格が変わる」形にします。

例)仕様変更:〇〇の場合は追加見積/範囲外:〇〇が増える場合は追加料金/追加作業:標準手順外は別途



7. 誤解されやすいポイント


線引きは「強気」ではありません。お互いの見通しを揃えるための設計です。

追加料金は「儲けたい」ではなく、標準の価値を守るための基準です。

そしてこれはマーケティングのテクニックではなく、

会社の価値をブレなく届けるための、ブランディングの実務(設計)です。



8. すぐ揉めるポイントはここ(よくある“曖昧ゾーン”)


線引きの整備は、いきなり完璧を目指すと止まりやすいです。

・まずは「もめやすい曖昧ゾーン」だけに境界線を引く

・見積の書き方を統一する(社内で同じ説明ができる状態にする)

・その後に、価格の基準(見積ルール)を整える



Branding Point(今回のブランディング視点)


標準/追加の境界線は、価値提供の“品質と一貫性”を守るための基準づくりです。

これが揃うほど、値上げ・価格転嫁・追加料金の説明が「お願い」ではなく「納得」に寄っていきやすくなります。

※ここまで試してみて「言葉が揃わない」「線が引けない」と感じるのは自然です。

多くの場合、詰まるのは作業よりも判断基準の置き方なので、必要なら整理の仕方から一緒に見直す方法もあります。



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