見積・価格のルール化
- web6788
- 4 日前
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どこで加算/減算するかを決めて、「説明」と「判断」をブレさせないために
※この記事は、値上げの“言い回し”や交渉術の話ではありません。
「うちは何を大事にする会社か」を前提に、見積と価格の判断がブレないように、加算/減算の扱いをルール化する話として整理します。

はじめに|価格は「数字」より先に、判断の基準が揃っているかで決まる
見積の相談が増えてくると、現場でこういうズレが起きがちです。
・同じ条件のはずなのに、人によって見積が違う
・値引きの基準が曖昧で、断り方が毎回しんどい
・“今回だけ”が続いて、いつの間にか標準が崩れる
ここで必要なのは、細かいルールを増やすことではなく、
理念・価値を軸に「どこで加算/減算するか」を判断できる“型”を置くことです。
1. ルール化の目的
見積を「説明できる判断」に変える
B4で言う見積・価格のルール化は、次の状態をつくるための設計です。
・どの条件で、なぜ加算/減算になるのかが説明できる
・担当が変わっても、結論が大きくズレない
・例外が出ても、標準に戻れる
つまり、価格を“交渉の結果”にしないための準備です。
2. 先に置くもの
理念→価値→標準の順に揃える
加算/減算の表を作る前に、まずは順番を固定します。
(1) 理念・志・哲学に照らす
迷ったときに戻る「判断の方向」を短く置きます。
(2) 価値(お役立ちの指標)を確認する
この案件で、何を優先すると「うちらしい価値」になるのかを明確にします。
(3) 標準を確認する
ふだんの提供として「この価値は、この基準で出す」と決めている範囲を置きます。
この順番が揃うと、加算/減算が“好き嫌い”ではなく、判断として扱えるようになります。
3. 加算の考え方
「負荷が増える」ではなく「価値が増える」を言語化する
加算は「大変だから」だけで決めると、説明が弱くなります。
加算の根拠は、できるだけ“価値の増え方”で言語化しておくのが安全です。
例)
・短納期:品質を落とさずに期日を守るため、体制を追加する(価値=約束の強化)
・追加工程:検品/調整/再設計など、成果の確実性を上げる(価値=安心材料の追加)
・優先対応:他案件との順番を入れ替える(価値=機会損失を防ぐ)
現場あるある:
「これくらい、ついでで…」が続くと、気づけば“いつもの提供”の時間がじわじわ削れていきます。
4. 減算の考え方
「安くする」ではなく「条件を変える」
減算(値引き)を“お願いされたから”で扱うと、基準が一気に崩れます。
減算は原則、価格を下げるのではなく、条件(範囲・品質・納期・責任)を変える形で整理します。
例)
・範囲を絞る:対象を限定する/回数を減らす
・仕様を固定する:選択肢を減らす/作り直し回数を決める
・納期を伸ばす:段取りを標準に戻す
・責任範囲を明確にする:どこまで保証するかを線引きする
ポイントは「値引き」ではなく「提供の条件変更」として扱うことです。
5. 例外の置き方
“特別対応”を、交渉ではなく判断にする
例外はゼロにできません。
ただ、例外に“条件”がないと、標準が崩れる(=判断が戻れなくなる)状態になります。
例外の条件は、B2で整理したように、先に言葉で決めておきます。
・理念や価値に照らして、やる理由が説明できるか
・標準へ戻す前提(期限/回数/次回の扱い)が置けるか
・他の顧客や現場に、歪みが出ないか
6.見積の「型」
加算/減算を迷わず使うための順番
迷うのは、要素が多いからではなく、順番が毎回バラバラだからです。
B3の考え方を、見積にそのまま当てはめます。
① 理念に照らす
② 価値(何をお役立ちとして出すか)を確認する
③ 標準の範囲を当てる
④ 加算要素を足す(価値が増える理由を添える)
⑤ 減算は条件変更として整理する(できない場合は断る基準に戻す)
⑥ 例外条件に当たるなら、条件と戻し方をセットで置く
入口の問いが揃うだけで、会話の迷子が減っていきます。
7.ルール化の最小セット
まずは「表」と「一言」をセットにする
いきなり完璧な見積表を作らなくても大丈夫です。
最初は、次の2つだけで回り始めます。
・加算/減算の表(よく出る項目だけ)
・説明の一言(理念・価値に照らした理由)
この2つが揃うと、見積の説明は“その場の頑張り”から解放されます。
まとめ:価格は、価値の使い方で強くなる
見積・価格のルール化は、数字を決める話ではなく、
理念・価値を軸に「どこで加算/減算するか」を判断できる状態をつくる話です。
まずは、順番を固定して、よく出る項目から表にする。
それだけで、判断と説明のブレは大きく減ります。
Branding Point
このテーマは「売り方」や「施策」の話ではなく、
価値がブレないように“判断と説明”を揃えるための設計です。
ここが揃うほど、会社の一貫性(=ブランド体験)が強くなっていきます。
ここまでやってみて「どこを標準に置くか」「どこまでを例外として扱うか」で迷うのは自然です。
もし一度、社内の線引き(標準/例外)を整えるところから整理してみたくなったら、気軽に声をかけてください。



